ここでは、不登校に関連したお勧めの本を紹介します。
お勧め順に並んでいるわけでも、本を読み漁っているわけでもありませんが、読んでいてしっくりくるもの、偏りのないものを選びました。
順次更新してゆきます。

①河合隼雄『こころの処方箋』(新潮文庫)



臨床心理学者であり文化庁長官まで務めた河合隼雄先生の著書です。河合先生の本はどれも面白い本ばかりなので、お勧めしたいものばかりですが、この本は発売から何年も経っているにもかかわらず、あまり大きくない本屋さんにも置いてあることがあります。
この本は人生の「常識」を優しい言葉で書き記してくれた本で、大人だけでなく高校生程度でも十分に読むことができるものです。本書には「常識」とありますが、頭ではわかっていても身に染みてはわかっていないこと、忙しい毎日の中でつい忘れてしまうことが柔らかい言葉で綴られています。
この「つい忘れてしまうこと」を肩の力を抜いて、読んでいただきたいと思います。もしかしたら、今のご家庭の状況・お子様の状況・ご自身の状況にぴったりと当てはまるようなことが書いてあるかもしれませんよ。


②岡田尊司『自閉スペクトラム症 「発達障害」最新の理解と治療革命』(幻冬舎新書)



最近、岡田先生は発達に関する著書を多数出版されています。内容はどれも傾聴すべきものが多く、理屈だけでなく実際的な事が多数書かれています。なによりもこれらの症状は後天的な要因もある可能性もあり、訓練次第で改善する可能性がある前提で書かれており、私も全く同感です。最近のマスメディアに出ている脳科学者などは実際的な事は症状を自然科学的に分類する以外何もなく、原因も関連性も何もなくアメリカの大学の研究結果を垂れ流しれいることが多くあります。特にこの著者は「サイコパス」といったフレーズをかなり危険視しています。実際にこの本を読んでいただきたいですが、これは私も全く同感で実際にそういったお子様などど向き合うと、そんなことは言えず、心の内を辿っていくと後天的に「発達障害的」になってしまった要因が垣間見れることが多くあります。ですので、是非こういった良書を手に取っていただきたいと思います。


③岡田尊司『発達障害「グレーゾーン」その正しい理解と克服法』(SB新書)



この本も非常に理路整然としていて分かりやすく、私の実感と相当に符合することも多くあります。発達障害は「これ」と断定できるほど簡単ではなく、様々な要因と複雑に絡み合っています。実際、発達障害というのは診断がつかないケースも多々あります。私の経験談でも、これは発達障害ではないかと思うケースでも「そうではない」と言われるケースもあります。たしかに社会的に「発達障害」と診断が下された方が社会的に認知されるという点では良いかもしれませんし、本人も安心するのかもしれませんが、その線引きは非常にあいまいで、本質的には診断が下されようが下されまいが本人の何かが変わるわけでもありません。これは訓練次第で改善するものという意味では、診断云々にかかわらず本人も周囲もそういった性格傾向があることは受け入れたうえで、乗り越えていく必要があると思います。そういった意味でこの本も是非一読していただきたいと思います。


④河合隼雄『いじめと不登校』(新潮文庫)



この本も河合先生の御本です。不登校に関して書かれた本なので、是非一読を。ただし、彼の日本人論というのは差し引いて考えた方がよろしいかと思います。

⑤宮口 幸治『「立方体が描けない子」の学力を伸ばす』 (PHP新書)

この本は著者が少年院にいた子たちが立方体すら描けない実情を目の当たりにし、彼らが認識している世界と自分が認識している世界には違いがあり、彼らの認知力を上げることが重要であると理解したことを契機に認知力を上げるためのトレーニングを開発し、それを紹介した本です。これは自分の子供時代の経験を考えても、立体を書いていたりすると視界に写る世界が変わることはありましたし、私の経験談からも立体を書かせる訓練をさせると集中力が上がることは間違いありません。